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【新古事記046】息を合わせて

不思議な2人組みと別れた陽と聖は、龍橋神社の境内を見てまわった。


龍の神社らしく、境内には清流が流れていた。都内とは思えない清々しい神社だった。こんこんと湧き出る御手水は、地下50メートルから汲み上げているらしい。


御手水の作法を知らない陽は、聖の動きを見ながら真似をした。


「こんなんで神様に怒られないかな?」


「大丈夫よ。神様はそんな小さいことでは怒らないもん、きっと」


御手水舎のすぐ近くに朱色の門があった。


「これが隋神門かな?」


門の両側には武士のような人形が安置されていた。そこには何の説明もなく、陽はもちろん、聖も何のために存在しているのかわからなかった。


「うーん、神社を守ってるのかなー」


聖は首を傾げながらそう言った。


そして、隋神門の中へと歩を進める。天井を見あげると、カナコという女性が言っていた通り、そこには大きな鈴が吊り下げられていた。


「これね、よーし!」


聖は目を瞑り、両手を胸の前で合わせた。そしてフーと息を吐くと…


パン!


と手を打った。その音が隋神門の中で気持ちよく共鳴した。


「よーし、いい感じ🎶」


聖は満足そうに言った。


「次はヨウの番だよ」


「オ、オレはいいよ。やめとく」


陽はなんとなく失敗した時のことを考え、手を叩くのを躊躇した。


「ふーん。まぁ無理にとは言わないけど」


「…知ってるよ。聖のそういう所、いいよな。無理強いしないとこ


で、聖の夢ってなんだっけ?」


聖はハッとなって言った。


「あ、そっか。音が響くと夢が叶うんだったね。


上手に鳴らすことに集中してて夢を伝えるの忘れてたよ」


「な、なんだよそれ…」


「まぁ、良いではないか」


「聖って能天気だよな〜」


そのまま二人は拝殿に進んだ。


「私の動きに合わせてね」


聖は500円玉を賽銭箱に放り込んだ。


それを見た陽は思った。


(ご、500円!?もったいな〜)


聖は鈴紐を揺らし、鈴を鳴らした。涼やかな音が心地よい。聖は目を閉じた。陽は目を開けたまま聖の動きを追った。


聖に合わせ二礼をし…


パン


パンッ!!


二人の柏手は寸分の狂いもなく重なり合った。