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【新古事記058】鳴らない電話

話がひと段落すると広末さんが言った。


「ところで君たち、お腹は減ってないの?」


するとノブナガが即答した。


「腹ペコです」


広末さんは笑った。


「ノブナガ君のそういう素直なところ、好きだよ。みんな、好きなもの頼んでいいよ…


と言っても、頼みづらいか。お兄さん、注文お願いします」


広末さんはオーナーを呼び、適当にフードを頼んだ。そして最後に付け加えた。


「みんな、同じものをお代わりで。いいよね?」


すぐに聖が言った。


「広末さん、そういうわけには…」


広末さんはすぐに聖の言葉を遮った。


「いいからいいから。


このくらいはさせてくれ。僕だって、散々上の人にお世話になってきたんだから」


「あ、ありがとうございます」


陽と聖は申し訳なさそうに言った。


「ありがとうございます!!」


ノブナガは思いっきり遠慮なく言った。


「お兄ちゃん…40歳にもなって恥ずかしくないの?」


ノブナガは怪訝な顔をした。


「恥ずかしいものかっ!


広末さんはオレを漢と見込んでくれたわけだ。恥ずかしさなど微塵もない。


オレはこの恩を忘れん!!必ずや恩返しをするぞ!!朱亥のようにな!!」


「シュガイ?誰それ?」


「カナコ…ホントにお前は何も知らないんだな。


広末さん、楽しみにしていてください。


カーッカッカッカッカッ!!」


広末さんは楽しそうに言った。


「うん、楽しみにしているよ。


それから朱亥はマニアック過ぎるよ」


ガタッ


ノブナガは席を立ち、言った。


「拙者、ちょいと厠へ行ってまいる」


そしてオーナーに声をかけた。


「トイレどこぉー?」


「トイレは店の外だよ」


ノブナガがなんとなくレジ横の電話を見ると、電話線が抜かれていた。


「おい、これ電話線抜けてるぞ?」


「ああ、それか。


いいんだよ。朝からひっきりなしに電話が鳴ってね」


「ん?そんなに流行っているようには見えぬが?」

 

店内にはノブナガのグループ以外、客の姿はなかった。