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【新古事記065】雑誌のコラム

聖は開いた雑誌のページを陽に向けてきた。


「ここ!ここ!」


陽は雑誌を覗き込んだ。


「あれ?この人???さっきの…」


『スピリチュアルに555万円を投じた男!

シキカワ☆ワンダラーの突撃スピリチュアル』というコラムに見たことのある人物の写真が載っていた。


いや、顔ははっきりと写っていなかったが、明らかに見たことのある人物だった。


「この人…」


陽は聖の顔を見ながらもう一度口を開いた。


「だよね、さっきのカフェのオーナーのお兄さんだよ」


そのコラムではカフェのオーナーである「ARAKI」という人物がシキカワ☆ワンダラーに絶賛されていた。


「このシキカワさんって、スピリチュアル界では有名らしくて、歯に絹着せぬ物言いでスピリチュアリストを批評してるらしいよ。


スピリチュアル界のご意見番なんだって。


厳しい意見も多いんだけど、スピリチュアル界の危うさを経験してるからこそ、被害者を出したくないという志を持って活動してるんだって」


陽は雑誌のコラムを見ながら不思議に思った。


「でも…」


「ん?」


「この雑誌にカフェの連絡先も書いてないし、その…ARAKIさんには何の旨味もなくない?」


「たしかに。でもあのお兄さん、あんな感じだし、集客しようなんて全然思ってないんじゃない?


シキカワさんのガチの潜入取材なのかもね。


それに…」


聖はさらに続けた。


「今はSNSの時代だからね。


たとえカフェの名前が載っていなくても、情報は拡散されて、あっという間にカフェも特定されちゃうと思うよ。


そうしたら、あのお兄さんも儲かるし、結果的にはいいのかもね」


陽は聖に聞いた。


「この雑誌っていつ発売なの?」


「ん?今日みたいだね」


「ふーん、じゃあ…


これを見たスピリチュアル好きな人たちが、今頃カフェに殺到してるかもしれないね」


「確かに。私たち、ラッキーだったかもね」


新宿ー、新宿ー


電車内に駅到着のアナウンスが流れた。陽と聖は乗り換えのため、電車を降りた。