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【新古事記084】堕落

「その子を見た途端に、ゴールポストが倒れる映像が頭の中で再現されて…吐き気とめまいがして、その場にしゃがみこみました。


一歩間違えていたら、この子は…そんな想像が頭の中を支配しました。


しばらくして少し落ち着くと、会社に向かわず家に帰りました。


会社から携帯電話にも連絡が来ましたが、繰り返し鳴るので電源を落としました。それで…夜まで布団で横になってました」


「たぶん10時くらいになって、会社の先輩が家まで来てくれて…


『明日は出てこいよ』って言ってくれて。


でも、結局、次の日もその次の日もサボりました。サボってるうちにだんだん色々なことがどうでもよくなってしまって。


毎日、夜になると会社の先輩が来てくれて。ドアは開けずに鍵をかけたまま『明日は行きます』って適当に返事して。


ちょっと軽いホームシックみたいにもなってたと思います。千葉には友達もいなかったし」


「近所のコンビニで買い出しして、毎日、カップラーメンとスナック菓子、朝から缶ビール…そんな生活を2週間くらい続けていたんですけど…


ある日、玄関のドアが開いたんです。


そこには両親がいました。


会社から両親に連絡が入り、僕の様子を見に来たんです。


部屋中に散らばったカップラーメンと空き缶…ヒゲ面の僕を見た母は悲しそうでした。


父は怒っていました。そんなことで社会人が務まるかと…会社に迷惑をかけるんじゃない!と。


僕は頷きました。もっともだと思いました。


母はその間に掃除をし、風呂を沸かしてくれました。

 

風呂に入ってヒゲも剃ってさっぱりすると、少し気持ちが前向きになったような気がしました。


『明日から会社にいく』と約束すると父母は帰って行きました。


両親を見送ると僕は缶ビールを開けました」