古事記スクール

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【新古事記096】古事記好きは惹かれ合う

「あ、氷川さん、連絡先を交換してもらえませんか?」


「もちろんです」


航は手早くSNSQRコードスマホの画面に表示し、陽に差し出した。


「これでいいですか?」


「氷川さん、なんか手慣れてますね」


連絡先を交換すると、航は伝票を手に持ち、レジに向かった。航を追いかけるように陽も席を立った。


レジには恰幅の良い50代半ばくらいの男性がいた。この店のオーナーだろうか?


「ありがとうございます。お会計、ご一緒でよろしいですか?」


男性は低音のとても良い声を発した。


「はい、一緒で」


「アイスコーヒー、おふたつで1,000円になります」


航が財布を取り出したので、陽は慌てて言った。


「氷川さん、誘ったのは僕ですから。ここは僕が…」


「まさか〜、そういうわけにはいきませんよ」


「いや、でも」


「たしかに僕の1時間分の労働がほぼすべて吹っ飛びますが」


航は笑いながら続けた。


「じゃ、今回は僕が払いますから、次からは割り勘にしましょう」


陽は航から「次」という言葉が聞けたのが嬉しかった。


「は、はい。ではご馳走になります、ありがとうございます」


コーヒー代を払いながら、航は男性に話しかけた。


「これ、ご主人がされるんですか?」


航は掲示板に貼られたA4サイズのフライヤーを指差した。


そこには…


『朗読古事記〜カミクシノカミ〜』


と書かれていた。


航はフライヤーに目を通しながら言った。


「へー、スサノオクシナダ…オロチ退治ですか」


「さっき古事記のお話されていましたね。実は混ざりたくてウズウズしていました」


男性は笑いながら言った。航は答えた。


「はい。こう見えて古事記の講座なんかもやってるんですよ、細々とですが」


「へー、それは興味深い」


航と男性は楽しそうに語り出した。