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【新古事記101】春日神社

電車が駅に入ってきた。この時間、車内は空いていた。


陽は座席に座り、掛川君に借りた本の続きを読みだした。



ドサッ


何かが落ちる音がした。


陽は慌てて顔を上げた。いつのまにか眠っていたらしい。外を見ると、見慣れた風景が見えた。陽は急いで床に落ちた本を拾い上げると、電車を飛び降りた。


自転車に乗り、家に向かう。


陽は例の中古本販売店の前を通りかかると、自転車を止めた。


いつもなら漫画コーナーに直進するところだが、今日はそうしなかった。


100円コーナーに向かい、目を皿のようにして書籍を眺める。そして陽は一冊の本を棚から取り出した。


『寝不足になる古事記


陽はパラパラとページをめくった。


「これでいっか、安いし」


陽は会計をすませると自転車にまたがった。


幅広い歩道の自転車通行帯を気持ちよく走る。


「ん?」


陽は急ブレーキをかけ、自転車を止めた。自転車をUターンさせ、5メートルほど道をもどる。細い道を右に折れると赤い鳥居が立っていた。


春日神社…」


今まで何年も通った道だったが、こんなところに神社があることは知らなかった。


陽は鳥居の脇に自転車を止めた。


鳥居の前に立つと、陽は呟いた。


「うちの近くにもこんな神社があったのか…」


陽は鳥居をくぐろうかと思ったが、早く家に帰って眠りたかった。


「今日はやめておこう。今度、聖と来ればいいし」


そのまま帰るのもなんとなく気持ち悪かったので、陽は神社に向かってペコリと頭を下げた。