古事記スクール

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【新古事記110】東京、夜7時

陽が風呂から上がると、聖は口を真一文字にして『寝不足になる古事記』を読んでいた。


「どう?面白い?」


「うーーーん…


正直なところ、おもしろくはないかな」


陽は笑った。


「聖は正直だな」


「やたらと神様の名前が出てくるし、んで長いし…


世界観もよくわからない」


「うん、オレも同じ感想。まだ全然読みかけだけどな。


でも、氷川さんも何度も挫折したって言ってたし、古事記ってそういうものなのかもね」


パラリ…


「ん?なにこれ?」


聖は床に落ちた一枚の紙を拾った。


古事記のお話会?


ファシリテーター


あ、あびこなん?」


「いや、あびこみなみさん、だろ?


なんだよ、あびこなんって!!」


「あ、すみません。素直に読んじゃいました。


で、これどしたの?」


「うん、空中さんのお店に置いてあったんだよ。


古事記のお話会』。ちょっとおもしろそうじゃない?」


「うーーーん!


おもしろそう!!」


聖はそう言うと、すぐにスマホで何かを調べ出した。


「なに調べてんの?」


我孫子南さんのことよ。


ちょっと待ってね〜〜」



「おっ!ブログ発見!!」


聖は真剣にスマホを操作し、しばらく画面を眺めていた。


「うんうん、なんかいいな。


誠実な感じがする。


わたし、この人好きだな。


おっ!!明日、名古屋でお話会あるんだ。


なほほんに伝えてみよっと」


「でも、奈帆ちゃん、赤ちゃんいるだろ?」


「まぁそれはそうだけどさ。


伝えるだけ伝えてもいいじゃん」


聖はいうが早いか、名古屋の奈帆ちゃんに連絡をしているようだった。


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18時50分


航は江本さんに指定されたしゃぶしゃぶ屋のの前に立っていた。


しばらくすると…


「氷川さーん」


江本さんが恰幅の良い男性と二人で現れた。50歳くらいだろうか?


航は江本さんに近づくと、手を差し伸べた。


「今日はありがとうございます」


江本さんはその手を握り返した。


「あの日のビジネス交流会以来ですね。お元気でしたか?」


江本さんは表情も声も生気に満ちていた。若々しいエネルギー。


「はい、なんとか」


そう答えると航は江本さんの隣にいる男性に頭を下げた。


「氷川航です。今日はお時間をいただきありがとうございます」


男性は柔らかい表情で言った。


「江本くんからお話は聞いています。お会いするの楽しみにしていました」