古事記スクール

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【新古事記119】雨

22時35分


新幹線を降りた航は、人波を交わし急いで改札を抜けた。


駅の外に出ると雨が降っていた。大きなペデストリアンデッキの屋根の下を走り、屋根が終わると職場まで濡れながら走った。


暗証番号を入力し、社員用通用口から建物に入ると、航は一息ついた。バッグからタオルを出し、頭と顔、そして体を拭いた。


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陽はベッドに腰を下ろし、航からのメッセージを確認した。


聖は待ちきれない様子で、陽の背後から左肩に顎を乗せ、スマホの画面を覗こうとしていた。


「聖、慌てんなって。今から読むから…


えーと…」


陽は声を出して航のメッセージを読んだ。

「『古事記まんが』っていうのね。氷川さんのオススメ本は」


聖はそう言うと、陽のadidasのジャージを羽織った。


「聖…何やってんの???」


「私、今から古本屋さん行ってくる。あそこ11時までやってるから、まだ間に合うよ」


陽はびっくりした。


「え?今から?やめとけって!!」


「善は急げだよ。陽の自転車、借りるね」


「待て待て待て待て」


陽は聖の肩を掴んだ。


「しょうがない、オレがいくよ」

 

「え?いいの?」


陽は玄関を開け外の様子を伺った。


「あ…」


「雨だね…」


聖は言った。


「ヨウ、ごめん。本は明日にする」


「うん、そうしよう。


それに、明日も聖は朝早いし」


陽と聖はベッドに戻った。