ノブナガは手を伸ばすとテーブルの上に置かれたカゴの中から卵を掴み取った。
手のひらには5つの卵が握られていた。
「お姉さん…
これもサービスしてくれますよね?」
「ちょ!お兄ちゃん!!
何言ってんのよ!!
しかも5つも!!」
女性は笑って言った。
「かまんよ〜〜」
それを聞いたノブナガは、満足そうに笑いパリパリと卵の殻をむき出した。
「それ、ゆで卵だったんだ〜〜」
聖が言うと女性が答えた。
「そらよ〜〜
ホントは1個50円やいしょ」
「ノブナガさん!250円ゲット!!」
聖が嬉しそうに言った。
ノブナガは1つ目のゆで卵をひと飲みにした。そしてまた手を伸ばした。ノブナガはテーブルの上に積まれた弁当の包みのようなものを取った。
「お姉さん、これも」
「ええよ〜〜、サービスしちゃる」
ノブナガはニヤリと笑い、包みを開け出した。
「お兄ちゃん!!
いい加減にしなさいよ!!
私まで食べたくなるじゃないっ!!
…って、違う、そうじゃない」
「これ、なんなんですか?」
陽が女性に聞いた。
「これは「早寿司」言うてな。鯖の押し寿司なんよ。
和歌山では中華が出てくるまでゆで卵食べたり、早寿司食うたりして待つんよ。
ちなみに早寿司は150円らよ」
「へーーー」
「ノブナガさん、150円ゲット!!」
「ノブナガさん、よく知ってますねー」
「そりゃそうよ!!
もともとオレはこの店のラーメンが好きでよく来てたからな」
ノブナガはすぐに早寿司を半分ほど食らい、ついに和歌山ラーメンのどんぶりに手を伸ばした。
「さて…
いざ出陣じゃ!!」
ノブナガはついにレンゲですくったスープを口に運んだ。
一同はノブナガの言葉を待った。
ノブナガは目を見開いて言った。
「こ、これは!!!
この味は〜〜〜〜っ!!!」
カナコが言った。
「相変わらず大げさねぇ…
まるで…
味皇みたい」